レポート: MFT2019気になった展示たち

M5Reflow

メイカーフェアで見つけた卓上リフロー炉(リフローははんだ付け手法の一つ。詳細はWiki参照)。 M5Stackを使って温度制御と状態表示を行っている。

M5Reflow
M5Reflowブースパネル

既存のオーブントースターの電源接続に割り込んでリフロー炉を作成できるキットは売られているが,だいたい後付感が満載のビジュアルになり制御基板などをどこに置くか悩まされることになる()。しかし,M5Reflowは既存オーブントースターのターゲットを絞り,すっきり本体に収まるよう工夫されていた。後付けでの製品の一体感がどれだけ購買意欲にダイレクトに働きかけるかを身をもって知った。
昨年のメイカーフェア東京で出展されていた卓上リフロー炉Reflow Ovenを見てから,ずっと卓上リフロー炉が気になっていたのだがM5Reflowは個人ユーザーがホビーで購入可能な価格帯だった。私が訪れたときには残念ながら既にSOLD OUTになっていたため,先々の一般販売の開始を楽しみにしておきたい。

すいラボさんのLEDが光るストラップ。

LEDが光るストラップ

表面実装用LEDと 抵抗 と電池(CR1220)とスライドスイッチから成るシンプルな構成。私はキーホルダー&ストラップタイプを購入したが,ネクタイピンやイヤリング,ヘアバンドなど様々な製品があり光るLEDを纏える。隣に立てかけてあった製作手順を示したパネルを読み,出展者の製作話を聞かせていただくと,細かいところに配慮しながら手間暇かけて手作りされており,そのものづくりへの情熱に心打たれ自然と財布の紐が緩んでいた。
特に「4.洗浄」は実施しなくても問題はないそうだが,綺麗な方が良いという製作者の美しさへのこだわりでわざわざ一手間加えているそう。写真では確認しづらいのだが実際にBefore/Afterをよく見比べると確かに洗浄した方が美しく,その一手間の重要性はしっかりと確認することができた。 品質の向上には 細部にまでこだわって作ることがやはり大切なのだと感じた。

光るアクセサリーができるまでのパネル

気ままな脱走ロボットfuga

fuga

fugaは家の中を動き回るぬいぐるみロボットなのだが,気まぐれに家を飛び出して冒険に出て行ってしまうロボットというコンセプトなのだそう。fugaの居場所はアプリで確認できるのだが,自動では帰ってこないので探しにいってあげないといけないよう。展示ではfugaがぴょこぴょこ動き回っていた。 なんだかとてもかわいい。
驚いたのはfugaは女子美術大学の学生さんが作った作品で,電子工作は初めて だということ。どうやって作ったのか詳しく話を聞いてみると,動く仕組みは作ったのではなくブルブル振動する人形をバラして中身(画像右上の白色穴あきボール)を利用したとのこと。振動する人形を手に入れるため,UFOキャッチャーをめちゃくちゃ頑張ったとのこと。アプリとの連動はまだしないので,コンセプトモデルなのだそう。
ぬいぐるみ部分は夜なべして手作りしたとのことで,気がついたら夜が明けていて良い感じに柔らかい陽光が入ってきたので,そのまま撮影して徹夜明けの勢いのまま一気に展示パネル(画像に移っているパネル)まで作ってしまったとのこと。展示パネルは30分くらいで作ったそうなのだが,fugaロゴも可愛く主役のぬいぐるみも目に飛び込んでくる素晴らしい完成度でさすがは美術大学の生徒さんだと感服した。
私がこの展示で足を止めたのは,展示パネルが目に付いたからであり,動いているロボットを見たのはその次であった。ぴこピコ☆らぶタッチは本体のギラギラ輝く光量に頼っており,コンセプトを伝える展示パネルなどがない。この展示を見て素敵な展示パネルを置きたくなった。

DoctorYellowとメロディ靴

歩くと音が鳴る&光るメロディ靴

展示ブースを歩いていると一際黄色いブースがあり,気になって見てみるとテープLEDと圧電素子があった。「靴を履いた子どもが走るとピカピカ光る遊具ですか?」と聞くと,「おっしゃる通りです。リハビリが少しでも楽しくなるように」と返ってきた。話を聞くと,歩行が困難な息子さんがおられるらしく,毎日歩行の練習(リハビリ)を行っているそう。そのリハビリが息子さんにとって苦にならないよう楽しく取り組んでもらえるよう,大好きなドクターイエローの靴に圧電素子を付けて,左右交互に足踏み(歩行)をすると好きな音が鳴り,少しずつ光るLEDが増えていく仕掛けとのこと。好きな音はお母さんのピアノの音だそうで,足踏みするとピアノの音が聞こえていた。また,振動素子も靴につけてありリハビリとして歩いたことを足にフィードバックする機構も備えているとのこと。子のリハビリを少しでも楽しく・・・という子を思う親の温かい気持ちが溢れていた。

(本レポートについて)

このレポートは、展示会へ参加したスタッフに課された「当日の展示などを見て回り、印象に残ったものや出来事について記事を書け」という課題の成果物です。 
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