レポート: 新しいモノをつくること
先日開催されたメイカーズバザール大阪で、「アームテルミン」という楽器に触れました。
テルミンをご存知でしょうか? 空中で手を動かしているだけに見えるのに、きれいな音が出るという、あの楽器です。
音を決めるピッチアンテナと音量を決めるボリュームアンテナのそれぞれから高周波が発せられていて、そのアンテナと手の距離で生まれる周波の差によって音が生まれます。
この楽器、演奏者の体調や演奏環境の影響を大きく受けてしまうため、演奏が難しいのだと、ブースに居られた演奏者の方に聞きました。(体内の水分量も関わるので、ストレスが溜まっているとよくない、のだとか)
一方アームテルミンは、タッチスイッチを押せば音が出て、長針に似たアームを回せば音を変えられる、切り替えればビブラートもかけられる楽器です。
仕組みは同じなので音はテルミンに似ていながら、両手に収まるサイズで演奏が可能なのです。こちらは多少気分が落ち込んでいても、多分演奏できます。
なぜこの楽器を作ったのかとお聞きすると、「新しい楽器を作りたかった」ことに加え、「子供が工作で作れるものが作りたかった」から、とのことです。
販売されていたキットには、基盤やLED、スピーカーに木材などの部品が全て揃っており、はんだごて、木工ボンド、両面テープなどがあれば作れるようになっています。組立説明書は写真が入っていてわかりやすく、作るのが楽しそうだと感じました。
アナログシンセサイザーの制作を続けてこられた、子供向けの教室を開いていた、という、どちらも開発された山下春夫先生(アナログシンセ資料室)がそれまでに取り組まれてきた事柄が合わさって、新しい楽器が産まれたのです。
新しいモノを作りだすのに必要なのは、アイデアだけではなく、身近な経験も大きな糧になるのだと、改めて感じました。
今回のメイカーズバザール大阪2019にはSC-MAKERS!としてすでに何回か参加しています。これまでの経験を踏まえて、新しいものを作るのか、これまで積み重ねてきたものを更にステップアップさせるのか、考えるヒントをもらったように思いました。
(本レポートについて)
このレポートは、展示会へ参加したスタッフに課された「当日の展示などを見て回り、印象に残ったものや出来事について記事を書け」という課題の成果物です。
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