レーザー加工機で「てるチー」を刻印してみた

社内へ今年導入されたレーザー加工機の試用レポートです。最近リリースされた「てるチー」のスタンプ画像を段ボールへ刻印できるかどうか試してみました。

機種はSmartDIYsさんの「Etcher Laser」(エッチャー・レーザー)

このレポートの流れ

公式サイトにあるマニュアルに従って時系列で操作してゆきましたので、この記事とマニュアルとを見比べながら読み進めていただくとわかりやすいかもしれません。

素材の用意

今回は実験のため、こちらの段ボールを素材として使用します。

厚みは約2mm。

レーザー加工機とPCの接続

USBケーブルを使ってPCと接続しました。

レーザーカッター側面の電源部。電源コードとUSBケーブルが刺さっている。

ソフトウェアを立ち上げて素材を配置

専用ソフトウェア(SmartDIYs Creator)のユーザー設定を開き、機種名とレーザータイプが正しい値になっているかどうかを確認しました。

今回使っている機種のレーザーは1.6W

専用ソフトウェアの操作で、レーザーヘッドを原点(向かって左上)へ復帰させてから素材を中央に置きます。

向かって左上がレーザーヘッドの原点

専用ソフトウェアの「位置確認」機能で、レーザーヘッドを素材の上へ移動させます。

専用ソフトウェアを使うとレーザーヘッドを思い通りに動かすことができるので、これだけでちょっと楽しい

レーザーヘッドの高さ調整

高さ調整用の治具を使って、レーザーヘッドの高さを調整します。

調整が終わったら治具を外し、専用ソフトウェアを操作してレーザーヘッドを原点へ戻しておきます。

データ読み込み、位置合わせ

専用ソフトウェアを操作して「てるチー」の画像を読み込みます。

LINEスタンプと同じ画像ファイルを読み込ませた様子

位置合わせのためのカメラボタンを押すと、マニュアルの記載どおり素材の厚み(キャプチャ面の高さ)を入力するダイアログが表示されます。

段ボールの厚みを踏まえて、ここで2.0mmと指定。

素材の厚みを入力すると、カメラ映像と「てるチー」の画像が重ね合わせ表示されました。

どの位置へどのように刻印されるか非常にわかりやすい。

パラメータ設定

レーザーヘッドのスピードと出力を調整します。

ベニヤ板へ刻印する場合のプリセット値を参考に
パワーは100%、ヘッドのスピードは3,000mm/分に指定しました。

加工開始(予備実験)

先ほど指定したパラメータできれいに刻印できるかはわからないので、その妥当性を確かめるためにちょっぴり試してみることにしました。

今回は、加工作業が2分程度で終わるように「てるチー」の画像を小さく調整してから加工を始めてみます。

画面の右上あたりに表示されている「推定加工時間」を参考に見ました。
今回は1分50秒と表示されています。

レーザーカッターの蓋を閉め、専用ソフトウェアにて「START」ボタンを押すと加工スタート。

レーザーヘッドがテキパキと動き始め、素材にレーザー光が当たる様子が見える
刻印された!……が、ちょっと薄い

加工開始(本番)

刻印された実物を見た結果、より濃く刻印するにはレーザーをより強くする必要があることがわかりましたので、設定をさらに再調整して刻印スタートします。

先ほどのパラメータ調整の時点でパワーはすでに100%だったので
スピードを半分に落とすことでレーザー光が素材に当たる時間を2倍に伸ばして対応
ついでに画像の大きさと位置も変更したところ、推定加工時間は約20分になりました。
(約20分の加工工程をむりやり5秒くらいに加速した動画)
きれいに刻印された!

ついでに他の加工も

この他、段ボールやコピー用紙を特定の形に切り取る加工についても、パラメータをうまく設定すれば行えることがわかりました。

おわりに

これまでのSC-MAKERS!作品では社外の設備でレーザー加工していたため、たった少しの加工でも一手間かかってしまう問題がありました。こうして社内ですぐ加工できるようになったことで、今後より効率よく作業できることに期待できるでしょう。

ただし弊社では現在在宅勤務が推進されているため、今回のレーザーカッターのような社内設備を利用するために出社しづらい場合があります。コロナ禍の状況においてものづくり活動をどのように進めてゆくかについては、別の問題として模索し続けているところです。